画像: 県内の農地情報を集約した
広域農地GIS

熊本県(空間情報ソリューション事例)

「GeoMation 地理情報システム」を活用し、大規模な広域農地GISを構築

世界有数のカルデラを誇る阿蘇山や、美しい島々が連なる天草諸島、そして九州山地に源を発する豊富な地下水など、豊かな自然に恵まれた熊本県は、多彩な農畜産物を生産する日本有数の食糧供給基地です。このため県は「幸せ実感くまもと4カ年戦略」において、意欲的な農家や担い手に農地を集め、農業の効率化や生産コストの低減を図る「農地集積」を積極的に推進していました。農地利用の検討を加速するため、まずは県内の45市町村単位での地図情報と農地情報を管理できる個別版GISを整備しました。

「個別版GISでは市町村単位での筆界(土地区画)しか参照できないため、シミュレーションの範囲が限定されていました。また筆界ごとにひもづけられた農地台帳と耕作放棄地も情報の範囲が限定されていたため、これらの情報を合わせて参照できないことも業務の効率化を妨げる要因となっていたのです」と振り返るのは、熊本県農林水産部 技術管理課 技師の藤本 貴昭氏です。

そこで、市町村の枠を超えて農地情報を閲覧・検索できる広域農地GISの構築が進められることになりました。入札の結果、大規模システムでの採用実績がある日立ソリューションズの「GeoMation 地理情報システム」を提案した日立が選ばれました。

画像: 「GeoMation 地理情報システム」を活用し、大規模な広域農地GISを構築

農地情報を県域で集約し、GISによって俯瞰

広域農地GISでは、県内全域の農地台帳、水田台帳、耕作放棄地情報を筆界ごとに航空写真や国土地理院が発行する基盤地図上に表示することができます。合計約150万の農業用地を「農地」「水田」「耕作放棄地」といった区分で表示でき、さらに各用地に関連づけられた情報(面積、所有者、栽培品目など)を筆界ごとに80件のデータを俯瞰できる仕組みとなっています。

現在、県庁ネットワーク内の端末から各課が参照できる広域農地GISでは、これまで可視化できなかった各種情報を地図と関連づけながら見渡せることで、市町村間の枠を超えた広域的なシミュレーションや施策展開を支援する基盤となります。各種施策の進捗(しんちょく)管理や効果検証も可能となり、業務処理の効率化に貢献しています。

「いま熊本県では、多様な農業の展開と耕作放棄地の有効活用を進めるため、六次産業化(※2)や農業への企業参入支援などに取り組んでいます。現在その施策計画では市町村ごとの個別版GISから地図や情報を切り出し、手作業で集計しながら資料を作成しているため手間と時間がかかっています。しかし広域農地GISでは県内全域で業務要件に合致する情報の検索や色替えができるため、作業の効率化が期待できます」と藤本氏は語ります。

※2 第一次産業である農林水産業が、農林水産物の生産だけにとどまらず、それを原材料とした加工食品の製造・販売、観光農園のような地域資源を生かしたサービスなど、第二次産業や第三次産業にまで踏み込むこと

熊本地震の対応でも大きな効果を発揮

広域農地GISは、2016年4月に発生した熊本地震の対応でも役立てることができました。当時はまだ個別版GISからデータ移行を行っていましたが、日立グループの発案により、多くの被害が発生している農業用水利用施設の早期復旧に向けた支援ツールを無償で構築。県内全域での水田の通水状況
の見える化を実現したのです。

「地震発生直後は個別版GISを使って被害状況を把握していましたが、被害が発生した20市町村ほどのデータをまとめる作業だけでも、かなりの時間を要していました。そのタイミングで移行されたデータをもとに、被災状況を地図上で俯瞰したり、断水した水田の面積をエリアごとに自動集計したりできるツールを日立が提供してくれました。おかげで早期復旧計画の策定や転作検討を目的とした報告資料の作成が即日可能となり、庁内や知事、国への報告に活用できました」と藤本氏は話します。

画像: 熊本県に導入した広域農地GISの概要

熊本県に導入した広域農地GISの概要

県民の利益につながるシステムに進化させていきたい

2016年8月に正式稼働を迎えた熊本県の広域農地GIS。その活用をますます進めるため藤本氏は「さまざまな業務を効率化させるツールづくりと、農地にひもづく情報登録を充実させたい」と語ります。「広域農地GISの利用価値を高めるには、課内や関係機関の業務を効率化するためのツール開発が必要です。いま考えているのが家畜伝染病など市町村の境なく早期対応が求められる情報の統合作成ツールです。これは便利だとユーザーに評価してもらえるよう、各課からツール構築のヒントを抽出し、早期の開発・実装につなげていきたいと思います。また、農業の担い手情報などの登録も推進し、より効果的な施策の立案や県民の利益につながるシステムに進化させていきたいですね」

将来的には農業関連情報と、その他のオープンデータを組み合わせることで、広域農地GISは幅広い用途に活用できると期待されています。例えば、空き家、学校、避難所などと農地の地図情報を組み合わせ、就農希望者へ提供できれば、就農地や住居地の検索、検討がより便利に行えるようになるでしょう。

今後も日立グループは、効果的な施策の立案や職員の業務効率向上をサポートするため、GeoMationのさらなる機能強化とソリューションの提案を行っていきます。


画像1: 県民の利益につながるシステムに進化させていきたい

熊本県
所在地 熊本県熊本市中央区水前寺6-18-1
人口 1,774,446人(2016年11月1日現在)
世帯数 708,104世帯(2016年11月1日現在)
職員数 21,950名(2016年4月1日現在)
http://www.pref.kumamoto.jp/

画像2: 県民の利益につながるシステムに進化させていきたい

お問い合わせ先
(株)日立製作所 公共システム営業統括本部 カスタマ・リレーションズセンタ
http://www.hitachi.co.jp/pchannel-inq/

■ 情報提供サイト
  http://www.hitachi-solutions.co.jp/geomation/sp/gis_system/


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