画像: 「Doctor Cloud/巡回・点検支援システム」が
経験やスキルに依存しない高度な管理業務を実現

独立行政法人 水資源機構 琵琶湖開発総合管理所
(Doctor Cloud導入事例)

流域の利水と治水を担う琵琶湖開発総合管理

滋賀県全面積の約1/6を占める日本最大の湖、琵琶湖。その流域で暮らす1,450万人もの人々の、豊かで安全な暮らしを支えているのが独立行政法人 水資源機構 琵琶湖開発総合管理所です。「1973年から92年の20年間にわたり、水資源機構は国や県、自治体とともに治水・利水・環境保全を中心とした琵琶湖開発事業を行いました。われわれはこの事業で整備された水門・樋門・排水ポンプといった施設の操作や維持管理を行い、琵琶湖周辺の治水と安定した水道・工業用水の供給を行っています」と語るのは所長の青井 保男氏です。

琵琶湖一円に14か所設けられた排水機場では、台風などの大雨で琵琶湖の水位が上昇した際、琵琶湖からの逆流による内陸側の氾濫軽減を図るため、水門閉塞と同時に排水機場のポンプを稼働し、河川水を強制的に琵琶湖に送水する作業を行っています。管理所全体では36名の職員がいますが、設備操作に詳しい機械職員は3名のみ。大雨などの緊急時には事務職員なども含めて操作対応を行わなければなりません。「このため急激な増水時などに作業の確実性・安全性・迅速性をさらに高めることが長年の課題でした」と機械課 副参事の岩松 裕二氏は説明します。

「従来は紙のマニュアルで対応していましたが、配属されてきたばかりの新入職員や、操作に不慣れな職員の中には、どうしても行くべき場所や操作手順に戸惑うケースがあり、情報をよりわかりやすく伝える新たなツールが必要でした。また、排水機場の機器類に不具合が発生した場合、以前は現地に専門職やメーカー担当者を派遣していましたが、初期対応に時間や手間がかかることも大きな悩みの一つでした」と岩松氏は続けます。

そこで、こうした課題をトータルに解決できる手段の検討を始めたところ、複数のベンダーがタブレット端末やHMD(※1)、AR(※2)などの技術を活用した業務改善システムを提供しているとの情報を青井氏がキャッチ。「これならわれわれの業務でも使えるのではないか、そうひらめいたのです」と青井氏は笑顔で語ります。

※1 Head Mounted Display
※2 Augmented Reality:拡張現実

画像: HMD装着時の作業風景

HMD装着時の作業風景

現地と遠隔地の熟練者が映像と知見を共有

採用されたのは日立のクラウド型機械保守・設備管理サービス「Doctor Cloud/巡回・点検支援システム」でした。

「HMDを使って4者間で双方向通信できるシステムは日立さんだけでした。これなら設備トラブルや想定外の問題が起こっても、現地と総合管理所、本社・支社なども交え、専門職や過去の不具合を熟知している担当者が離れたところからでも的確にアドバイスできます。また、われわれの業務は視界がディスプレイで塞がれると操作確認がうまく行えないため、HMDの視界がシースルータイプだったこと、さらにクラウドで運用負担がなかった点もうれしかったですね」と岩松氏。

青井氏も「排水機場のポンプが日立製ということもあり、あらかじめ運転システムの内容を熟知されているのも助かりました。操作手順のナビゲーション設計、故障時の復旧支援などにもそのノウハウが生きています」と評価します。

Doctor Cloud/巡回・点検支援システムは、HMD、AR技術、複数拠点同時通信機能とクラウド型機器保守・設備管理サービスをパッケージ化したソリューションです。同ソリューションをベースに、琵琶湖開発総合管理所と日立は二つのシステムを構築しました。

一つは「排水機場運転支援システム」です。タブレット端末とAR技術を利用して、ユーザーに映像と音声で操作場所や操作方法をナビゲーションするとともに、操作の記録も同時に行うことができるものです。日立は「初心者の視点に立った、わかりやすいマニュアルにしたい」という機械課からの要望を受け、容易で確実に操作できるビジュアルと導線設計を支援。「専門職でない職員からも“格段にわかりやすくなった”“これなら間違える心配はない”と非常に好評です」と岩松氏は喜びます。

もう一つは「排水機場不具合対応支援システム」です。故障や不具合の発生現場にいるユーザー目線の映像を遠隔地のPC上で共有するもので、専門職が遠隔地からでも的確な指示を行うことができます。機械課の内田 颯太氏は「慣れていない職員が駆けつけた場合、機器の名称すらわからないケースがあります。しかしこのシステムには“ここを見て欲しい”とHMDに映る映像の一部分をカラーマーカーで囲む、またエンジンなどの機械音で会話できない際に文字チャットで指示ができるなどの機能がついており、予想以上に便利です。機構に入って2年目でまだ経験の浅い私にとって、万一の際にベテランの指示を仰ぐことができる安心感は何ものにも代えがたいものがあります。作業履歴や支援記録もシステムに蓄積されていくので、熟練者の知見やノウハウを短期間で習得・伝承できる基盤としても活用できるはずです」と評価します。

画像: 現地と遠隔地の熟練者が映像と知見を共有

さまざまな業務に幅広く適用できるシステム

現在、Doctor Cloud/巡回・点検支援システムは、2か所の排水機場で活用されていますが、今後は残り12か所の排水機場にも順次適用されていく予定です。

「水資源機構は全国にさまざまな事業所がありますが、今回のシステムへの注目度は非常に高く、すでに多くの問い合わせがきています。ヒューマンエラーの抑制や作業効率の向上、ノウハウ継承といった課題は全国の事業所共通の課題ですので、他の事業所でも幅広く適用できるはずです。今後も日立さんにはDoctor Cloudのさらなる機能強化や新しい使い方の提案をお願いしたいですね」と目を細める青井氏。その期待に応えるため、日立はDoctor Cloudと関連ソリューションの強化拡充をこれからも継続的に進めていきます。

画像: 琵琶湖開発総合管理所に導入されたシステムの概要

琵琶湖開発総合管理所に導入されたシステムの概要


画像: さまざまな業務に幅広く適用できるシステム

独立行政法人 水資源機構 琵琶湖開発総合管理所
所在地 滋賀県大津市堅田2丁目1-10
管理開始 1992年4月1日
職員数 36名(2016年9月1日現在)
事業内容 平常時は、各施設の点検整備、水文資料の収集、総合自動観測所による湖内の水質監視などの管理を行い、渇水時には内水面の水位維持を、洪水時には淀川および琵琶湖周辺の浸水被害の軽減を図る
http://www.water.go.jp/kansai/biwako/


お問い合わせ先
(株)日立製作所 産業・水業務統括本部 サービス事業推進室
インダストリアルプロダクツビジネスユニット 機械システム事業部 システム技術部
doctor-cloud.ml.re@hitachi.com

■ 情報提供サイト
 http://www.hitachi.co.jp/doctor-cloud/


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