画像: コンテナ型データセンターでBCPを強化

1949年5月に発足した国立大学法人茨城大学(以下、茨城大学)は5学部/4大学院研究科を有する地域密着型の「知の拠点」として66年の歴史を刻んできました。近年は持続可能な地域社会づくりに貢献する研究や新技術の開発、震災・放射能災害からの復興支援で多くの成果を上げています。

東日本大震災で全学システムが停止

水戸・日立・阿見と3つのキャンパスに8,000名を超える学生が集う茨城大学は、従来、教育研究・校務用のコンピュータシステムを各キャンパスに分散配置し、広域イーサネットで結んだ運用を行っていました。しかし2011年3月11日に起こった東日本大震災による停電で全システムが停止。なかでもサーバ室を8階建て校舎の1階に配置していた日立キャンパスでは震度6強の揺れにより空調システムが破損した上、亀裂の入った校舎の安全性を確認するのに時間がかかり、本格復旧までに1か月を要する事態となりました。

「被災してからの約5日間、メールサーバや広報用のWebシステムに通電できず、学生・教職員らの安否確認や震災翌日に予定されていた後期入試の受験生たちへの連絡や情報発信ができない状態となってしまいました」と振り返るのは、IT基盤センター ITシステム運用部門長で准教授の大瀧 保広氏です。システム復旧に力を注ぐ過程で「BCP(※1)の重要性を実感した」と語るIT基盤センター 講師の野口 宏氏は、今後同じ事態を招かぬよう、災害に強いシステム環境の検討に着手。「大きなヒントになったのが、独立した低い建造物でサーバを運用していたため、迅速に復旧できたという他大学からの報告でした。そこで災害対策としてのコンテナ型データセンターの有用性を再認識したのです」と野口氏は続けます。

※1 Business Continuity Plan

画像: 東日本大震災で全学システムが停止

日立の「フレキシブルデザインコンテナ」を導入

学内サーバを独立した建屋で運用するプランとともに、パブリッククラウドへの全面移行も検討されました。「パブリッククラウドはBCP対策として大きな効果があるのは確かです。しかし、すべてをクラウドに頼ってはリスク分散になりません。また、個人情報を含む重要データは、なるべくキャンパス内で保管したいという判断もありました。そこでまずは学内に堅ろうながら容易に設置できるコンテナ型データセンターを構築しようという結論に達したのです」と語るのは、IT基盤センター センター長の鎌田 賢氏です。

そこで茨城大学は、サイズやレイアウトを柔軟に設計できる日立の「フレキシブルデザインコンテナ」を導入。稼働中のサーバやネットワーク機器をすべて収納可能で、サーバ入れ替え時のサービス停止時間を最小化するため、ラック2本分の空きスペースも考慮した床面積約46m2(幅約8.3m×奥行き約5.5m)、高さ約3.9mのコンパクトなデータセンター環境を、キャンパス内に約3か月半という短期間で構築しました。

茨城大学に設置されたコンテナ型データセンターは、東日本大震災と同程度の地震が発生した場合にも内部の機器やシステムに影響が出ないよう、国土交通省の「官庁施設の総合耐震計画基準」における施設重要度係数1.5の耐震強度を持ち、自家発電設備も備えています。茨城大学と日立は、全学生・教職員約9,000名が利用する教育研究・校務用システムを校舎内のサーバ室からコンテナ内へと段階的に移設。2014年10月からプライベートクラウド基盤としての本格的な利用を開始しました。

画像: コンテナ型データセンターに収められているサーバ

コンテナ型データセンターに収められているサーバ

画像: リモートによるコンテナ型データセンターの監視風景

リモートによるコンテナ型データセンターの監視風景

将来的にもデータ保管庫として大きな役割を果たす

「サーバ室としての機能は従来と変わりません。保守はリモートで行えますし、監視カメラや温湿度センサーで24時間の監視体制を敷いており、異常時にはメールやパトランプですぐに察知できるためセキュリティや運用性にも問題はありません」と大瀧氏は語ります。

鎌田氏も「独立した堅ろうな建物で、自家発電設備も設置されたため、商用電源が停止した場合もシステム運用を継続できる安心感は何にも勝ります。また各キャンパスでは年に1回、8時間ほど電気を止める法定点検があるのですが、自家発電設備のおかげで昨年からは点検時にも重要なシステムを止めずに運用できるようになったのもうれしい効果の1つです」と笑顔を見せます。

日立は導入にあたり、空調環境コンサルティングサービス「AirAssist®」を活用し、サーバや空調機のレイアウトを最適化することでPUE値(※2)が約1.29という優れたエネルギー効率を実現。これにより電気代は年間約3割以上節減できる見込みとなりました。

茨城大学はBCPの一環として、学生用メール環境をMicrosoft®のクラウドサービスOffice 365に移行する一方、認証サーバは水戸と日立の2つのキャンパスに冗長配置することで、災害時でもメール活用の継続性を向上。「学内ドメインのメールをレポート提出や就職活動にも多用する学生にとって、継続性の高いメール環境の実現は、確実にサービスレベルの向上につながっています」と野口氏は語ります。今後は費用対効果の面からパブリッククラウドへ移行するシステムも増えていくと予想されますが、「データ消失のリスクを考えると、やはり重要なデータは常に学内外で同期を図りながら管理していくことが必要です。そのための保管庫としてもコンテナ型データセンターは引き続き大きな役割を果たしていくでしょう」と野口氏は期待を寄せます。

最先端レベルの教育研究活動にITシステムが欠かせないインフラとなった今、災害時にもリスクを最小化させるBCPは、大学運営に必須の要件となっています。これからも日立は、より多くの教育機関に対して、省電力・高集積・省スペースなコンテナ型データセンターの積極的な提案・導入を進めていきます。

※2 Power Usage Effectiveness : データセンターやサーバ室のエネルギー効率を示す指標の1つで、データセンター全体の消費電力をIT機器の消費電力で除した値。PUE値が1に近づくほどエネルギー効率が高いことを表す

画像: 茨城大学に導入されたコンテナ型データセンターの概要

茨城大学に導入されたコンテナ型データセンターの概要


画像: 将来的にもデータ保管庫として大きな役割を果たす

国立大学法人茨城大学

所在地 茨城県水戸市文京2-1-1(水戸キャンパス)
創 立 1949年5月
学生数 学部学生7,112名、大学院生1,070名
(2014年5月1日現在)
教職員数 869名(2014年5月1日現在)
http://www.ibaraki.ac.jp/

画像: 国立大学法人茨城大学


お問い合わせ先
(株)日立製作所 公共システム営業統括本部 カスタマ・リレーションズセンタ
http://www.hitachi.co.jp/pchannel-inq/

情報提供サイト
http://www.hitachi.co.jp/moduledc/


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