コンパクトで携帯性に優れたタブレット端末のビジネス活用が進んでいます。なかでも銀行、保険会社、証券会社、クレジットカード会社などの金融機関では、お客さまへの効果的な商品提案や申し込み手続きの電子化、即時入力やペーパーレス化にともなう業務効率向上などへの期待から、導入検討が増えています。

そこで日立は、金融機関の営業活動をタブレット端末で行うためのシステム基盤とWebアプリケーションをクラウドサービスとして提供する「金融機関向け日立モバイルクラウドサービス」を開発しました。

今回の特集では金融機関のお客さまのニーズや課題とあわせて、本サービスを詳しくご紹介します。

近年、金融機関では店舗外での業務が多い営業部門を中心に、タブレット端末を導入する動きが拡大しています。より機動力のある営業活動を行うため、タブレット端末ならではの画面の見やすさと直感的な操作性を生かし、多様化する金融商品・サービスをイメージ画像・動画を交えてわかりやすく説明したり、グラフィカルなシミュレーションを駆使した提案活動、申し込み手続きの電子化など、お客さまへのサービス品質の向上を支援するツールとして期待が高まっています。
営業活動にタブレット端末を活用することで、お客さま先で記入した内容を帰社後に再びPCで入力する手間や時間のロスがなくなり、お客さまへの提案などに専念する時間を増やすことができます。また、最新の金融動向やこれまでのお客さまへの提案活動の経緯、そして情報提供のためのさまざまなコンテンツの共有による提案力の強化と均一化、業務の電子化によるスピード化やペーパーレス化といった、さまざまな業務改革と効率的なワークスタイルを実現する基盤としても注目を集めています。

■導入に向けた課題も

しかし、これからタブレット端末を導入しようと考えている金融機関からは、「使ってみたいが、業務でどのように活用したらいいか迷っている」「導入と運用に時間をかけたくない」といった意見が寄せられています。一方、すでに活用している金融機関からは、「オンライン環境が前提だと、常時ネットワーク接続が必要となり、通信環境が不安定な場所では安定的に業務が行えない」「タブレット固有の機能(手書き・カメラ・GPSなど)やモバイルプリンタなどを組み合わせて活用したい」といった声があがっています。

さらに、OSやデバイスの多様化で、アプリケーション開発とメンテナンスにも多大な工数とコストがかかること、高度なセキュリティをどう担保していくかなども、今後の運用に向けた大きな課題となっていました。

タブレット端末の活用に関する課題をトータルに解決

「金融機関向け日立モバイルクラウドサービス」は、こうしたタブレット端末の活用に関するさまざまな課題をトータルに解決することをめざして開発したものです。

金融機関の既存システムと連携しながら、社外での営業活動をタブレット端末で行うためのシステム基盤とWebアプリケーション群を月額課金制のクラウドサービスとして提供。OS(※1)に依存しない開発・保守の容易性と高セキュリティ、通信環境が不安定な場所でも安定した業務が行える独自技術などにより、幅広いメリットを持つタブレット端末システムを初期コストを抑えつつ迅速に導入していただけます。

また、すでにタブレット端末を活用されている金融機関も、このサービスを導入することにより、さらなる使い勝手の向上と運用・保守に関わる負担軽減を両立することができます(図1)。

※1 iOS、Android、Windows® 8.1デスクトップ版(RT/モダンUIを除く)に対応

画像: 図1 「金融機関向け日立モバイルクラウドサービス」のWebアプリケーション利用イメージ

図1 「金融機関向け日立モバイルクラウドサービス」のWebアプリケーション利用イメージ

金融機関に適したタブレット端末活用環境を提供

金融機関向け日立モバイルクラウドサービスは、月額課金制のクラウドサービスとして提供するため、システム開発や運用に必要な初期費用や負荷を抑えながら、短期間でシステムを導入することができます。

モバイル利用環境として、オフラインでも操作できるモバイルWebアプリケーション実行基盤「快作モバイル+」の活用や、タブレット端末をPCと同じ操作性で、セキュアに社内イントラネット環境への接続が行える「仮想デスクトップトータルサービス」などのモバイルプラットフォーム向けサービスを提供します。

このほか、社内でも快適にタブレット端末を使うための「クラウドWi-Fiサービス」「無線LAN環境構築サービス」などのオプションメニューも取りそろえ、お客さまの業務に適したタブレット端末の活用環境を実現します(図2)。

画像: 図2 「日立モバイルクラウドサービス」の概要

図2 「日立モバイルクラウドサービス」の概要

■業務に合わせた高度なセキュリティ機能

タブレット端末を社外の営業活動で使う場合、最も懸念されるのがセキュリティリスクの増加です。金融機関向け日立モバイルクラウドサービスでは、金融機関の業務運用に合わせた高度なセキュリティ機能を提供します。

「快作モバイル+」のセキュアブラウザは、なりすましや不正アクセス、情報漏えいを防止し、盗難・紛失対策にも大きな威力を発揮します。タブレット端末上での申し込み手続きなどに関するデータは、センター内のサーバへ送信後、端末から削除する設定とすることで、端末紛失時の情報漏えいを防止できます。また通信時にもデータは暗号化されるため、高いセキュリティを確保できます。もし現場での通信が不可能な場合は、タブレット端末内のモバイルデータベースに入力データを暗号化して一時保存。通信が可能な場所や店舗に戻ってから送信できるため、お客さま情報を安心して運用できます(図3)。

また、セキュアなインターネット接続の需要も高まっています。セキュリティを確保するため、金融機関の社内ネットワークとは別にインターネット接続用のPC環境を用意して、外部からの不正侵入・ウイルス対策などを行っているケースもあります。新たにタブレット端末を行内システムに接続しようとすると、セキュリティポリシーの見直しやパッチの適用などで多大な運用負担が予想されます。

そこで日立は、モバイル環境から日立モバイルクラウドセンターの仮想インターネット接続PC環境を経由する「インターネット接続基盤サービス」を提供。導入と運用に時間をかけずに、セキュアなインターネットアクセスが可能となります。

画像: 図3 「快作モバイル+」のセキュアブラウザ

図3 「快作モバイル+」のセキュアブラウザ

金融商品の電子申し込みに対応したWebアプリケーションを提供

金融機関向け日立モバイルクラウドサービスでは、まずローンや投資信託といった金融商品の電子申し込み業務に対応したWebアプリケーションをテンプレートとして提供します。営業担当者は、タブレット端末とWebアプリケーションを利用することで、店舗内外でローンや投資信託といった金融商品の提案や申し込み手続きなどを効率的に行うことが可能です。

タブレット端末に内蔵されたカメラによる免許証など申込者の本人確認書類撮影や、タッチパネルを利用した申込者による手書き署名の記録のほか、GPS機能を使った位置情報の記録、モバイルプリンタに接続した契約書などの資料印刷も容易で、店舗内外で従来以上にスピーディかつタイムリーな営業活動を行うことができます。

Webアプリケーションは、金融商品ごとのテンプレートを柔軟にカスタマイズでき、各金融機関の運用に合わせた柔軟な設計が可能です。利用時の画面構成も営業担当者がお客さまへ説明しやすい流れとなっており、詳細な商品説明からシミュレーション、申し込み手続きまでの業務を容易に立ち上げることができます(図4)。

画像: 図4 電子申し込みの流れ

図4 電子申し込みの流れ

■企業イメージに適した画面デザインを用意、テンプレートも順次拡充

商品・サービスメニューの画面デザインは2種類のパターンと複数の配色から選択可能で、Webアプリケーションが対応する金融商品も増やしていく予定です。このWebアプリケーションと金融機関の既存の業務システムと連携することで、タブレット端末上での、お客さま情報の照会から申し込み手続きまでの一連の業務取引を実現していきます。

今後は、保険会社、証券会社、クレジットカード会社の申し込み業務も含めて、さまざまな金融機関に適した業務テンプレートを順次拡充し、幅広い業種のお客さまの店舗内外の業務を強力に支援していきます。

日立ならではのハイブリッドなWebアプリケーション

タブレット端末のOSやデバイスの種類はさまざまです。デバイスによって搭載OSや画面サイズが異なるのはもちろん、OSのリリース頻度が高く、開発言語もOSごとに異なるため、アプリケーション開発にかかる対応負担は予想以上に重くなります。これまでのように、OSやデバイスに依存したアプリケーション開発方法では、運用とメンテナンスに多大な手間とコストがかかり、将来的に使えるOSやデバイスの選択肢も狭まります。

そこで本サービスでは、画面表示部分はWeb標準技術を利用し、デバイス機能や高性能なオフライン処理は「快作モバイル+」の機能としてネイティブアプリケーションで提供。日立独自のハイブリッドなWebアプリケーションサービスを実現しています。アプリケーション開発の際にデバイスOSに依存せず、更新データの配信も上位のHTMLコンテンツのみのため、画面の追加や機能拡張が容易に行え、タブレット端末システム全体の運用負担を大幅に軽減します(図5)。

画像: 図5 日立のハイブリッドなWebアプリケーション

図5 日立のハイブリッドなWebアプリケーション

■オフライン環境で利用可能なWebアプリケーション

タブレット端末を使ってお客さまに金融商品の提案や申し込み手続きなどを行う際、オフライン環境でもWebアプリケーションを利用できるのが、本サービスの大きな特長です。その仕組みは、「快作モバイル+」の機能を使い、申込書フォームや電子パンフレットなどのデータを事前にタブレット端末側にダウンロードしておくことで実現されます。

お客さま先では、電子申込書フォームを表示して、その場で申し込み内容や自筆サインを入力。入力が完了したら初めてネットワークに接続し、申し込みデータを送信し、送信後は端末上からデータを削除する仕組みです。これにより、店舗内外の通信環境に依存せず、営業担当者とお客さま双方に快適な業務サービス環境を提供します。「ネットワークが遅くて、お客さまに資料を見せることができなかった」「肝心の契約時にネットワークがつながらず、ご迷惑をかけてしまった」といったトラブルを軽減します。

なお、Webアプリケーションの仕様や金融商品内容が変更になった際にも、更新データをダウンロードするだけで、容易に最新情報への更新が可能です。

■タブレット端末固有の機能も活用

タブレット端末に内蔵されたカメラを使い、申込者の本人確認書類の撮影に使ったり、現場の様子を店舗に送信したりすることができます。またタッチパネルを利用した申込者の手書き署名、メモ記録や撮影した写真への書き込みなども可能です。モバイルプリンタに接続して、その場で契約書などの資料を印刷することもできます。これらの業務とGPSの位置情報をひもづければ、いつ・どこでお客さまが書面を確認し、署名されたかなどの証跡も残り、コンプライアンスを強化したタイムリーな営業活動ができます(※2)。

見やすく訴求力の高いタブレット端末を使った営業力の強化、電子申し込み機能を使った業務効率の向上で、金融機関のお客さまの競争力向上に貢献する「金融機関向け日立モバイルクラウドサービス」の導入を、ぜひご検討ください。

※2 (株)日立製作所により関連特許出願中(出願番号:PCTa/JP2014/059156)


お問い合わせ先
(株)日立製作所 金融システム営業統括本部 事業企画本部
http://www.hitachi.co.jp/finance-inq/

情報提供サイト
http://www.hitachi.co.jp/products/it/finance/solutions/platform/smart_device.html


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