いま小売業では、ECサイト(ネット)とリアルを融合させ、さまざまなお客さま接点で最高の購買体験を提供する「オムニチャネル」の成功が大きなテーマとなっています。常に「お客さま視点」で考え、「お客さま満足」を追求する考え方は従来と同じですが、多様な情報を自ら収集し、選択眼が厳しくなったお客さまに、自社ならではの思いをいかに迅速・確実に届けられるかで、成否に大きな違いが出てきます。

今回の特集では、日立が考えるオムニチャネル戦略や、「個客につながる」「個客に売る」「個客に届ける」ための高付加価値のソリューションや新技術などをご紹介します。

マルチチャネルからオムニチャネルの時代へ

タブレット端末やスマートフォンの普及によって、お客さまの購買行動は大きな変化を遂げています。これまでは、新聞の折り込みチラシを見て、近隣スーパーの中から特売品の多い店を選んで買い物に行く、店舗で気に入った商品があればそのままレジで会計を済ませる、忙しい人ならすべてネットで注文するといったように、チャネルごとに認知と購買行動が完結するのが一般的でした。

しかし今では、電車の中でもスマートフォンでチェックして実店舗とECサイトを相互に行き来しながら買い物したり、SNSで商品や店舗のレビューを調べて判断したり、あるいは実店舗で見た商品の最安値をネット検索して他社のECサイトで購入する「ショールーミング」という購買行動パターンも当たり前となっています。これではせっかく複数のチャネル(マルチチャネル)を用意してもお客さまを囲い込めず機会損失や既存のお客さまの離反リスクも含めた大きな課題となっています。

手元の端末だけで、場所や時間を問わず、幅広い購買情報を集め、その場で比較し、すぐに注文するようになった自由度の高いお客さまに満足してもらうには、どのような取り組みが必要なのでしょうか。

その1つの答えとなるのが「オムニチャネル」です。リアルとネットの境界線をなくし、「リアルでもネットでも同じ感覚でシームレスに買い物体験ができる」こと。そして「自分が欲しい商品の情報やクーポンを適切なタイミングで提供してくれる」「ネットで注文した商品をいつでも身近な店舗で受け取れる」「店舗で品切れなら系列店やネットで取り寄せる」といった、これまでにない価値と満足感をお届けすることで、お客さまを囲い込むことができるのです。

「個客」への対応が欠かせない要件に

リアルとネットを融合させ、さまざまなお客さま接点で満足できるお買い物体験を提供する「オムニチャネル」の実現。そのためには、お客さま一人ひとり、つまり「個客」への対応が欠かせないと日立は考えています。小売業がオムニチャネル戦略を推進する上で最も重要なのは「個客」をしっかりと理解することにあります。それぞれのお客さまが何を望み、どのような行動をとっているのかを常に理解しなければ、厳しい競争に打ち勝つことはできない時代となっています。自社に合ったオムニチャネル戦略を見つけ出していくには、膨大なデータを分析しながら試行錯誤を繰り返し、さまざまな施策を打ち出し、評価・実践していくPDCAのサイクルが欠かせません。

そこで日立は、お客さまの行動を分析して「個客につながる」、リアルとネットそれぞれの店舗で効果的に「個客に売る」、安全・確実に商品を「個客に届ける」といった、オムニチャネルのさまざまな課題を解決する幅広いソリューションとITプラットフォーム、物流サービスなどをトータルに用意。ソリューションを支えるインフラ基盤として「Hitachi Cloud」も取りそろえ、「個客」の暮らしに寄り添う解決策を提案します。

画像: オムニチャネル戦略を支援する日立のソリューション

オムニチャネル戦略を支援する日立のソリューション

「個客につながる」~見えなかったものが見えてくる~

一度購入した店からメールなどで送ってくる “オススメ情報”の中には、売る側からの一方的な押しつけになっているケースも少なくありません。それが自身の嗜好(しこう)やライフスタイルに合っていなければ、逆にお客さまは離れていってしまいます。必要な「情報」とそれを求める「個客」を確実につなぐことができれば、もっと有益な信頼関係が築けるはずです。

そのための解決策の1つが「流通分析ソリューション」です。実店舗、ECサイト、カタログ通販といった多様化したチャネルのデータを統合し、商品分析と顧客分析を融合した分析軸をスピーディに回すことで、今まで見えてこなかった「個客」の嗜好や行動をとらえ、効果的な売り場展開や「個客」別のプロモーション、商品開発などにつなげるものです。データ処理基盤としては、高速データアクセス基盤「Hitachi Advanced Data Binderプラットフォーム」(※)を採用。大幅にデータマートを削減した超高速分析で、分析軸の変更にスピーディに対応できるのが大きな特長です。

「個客」へのアプローチの精度を高めるために、高速な単品バスケット分析から顧客分析へのスムーズな活用はもちろんのこと、流通への深い知見やビッグデータ解析技術を駆使し、例えば、安全や高級といった商品が本来持っている特性をも加味した精度の高い「個客」マーケティングの取り組みにも期待できます。

中京圏を中心に展開するチェーンストア ユニー株式会社、中四国地域に「フジグラン」「フジ」を展開するチェーンストア 株式会社フジも流通分析ソリューションを導入しており、ビッグデータを活用したOne to Oneマーケティングの実践で大きな成果を上げています。

※ 内閣府の最先端研究開発支援プログラム「超巨大データベース時代に向けた最高速データベースエンジンの開発と当該エンジンを核とする戦略的社会サービスの実証・評価」(中心研究者:喜連川 東大教授/国立情報学研究所所長)の成果を利用

「個客に売る」~リアルとネットで囲い込み~

実店舗もECサイトも、購入するお客さまに変わりはありません。情報管理やポイント制度も共通化したシステムで行うことで、実店舗での購買履歴に基づいたクーポンをECサイトから配信するなど、利便性の高いサービスで「個客」を囲い込むことができます。「FutureStage」は、店舗・販売業務までの基幹業務をサポートし、店舗情報の「見える化」を実現。複雑化した購買行動に対応した情報管理とリアルタイムなチャネル間の情報共有で、機会損失を抑制しながら店舗競争力を高めることができる情報基盤ソリューションです。

また、オムニチャネルの要となる実店舗の活性化に向けた先進的な取り組みといえるのが、人間の行動データと業務関連データを掛け合わせて解析する「ヒューマンビッグデータ/クラウドサービス」です。個々の従業員が身につけるウエアラブルセンサから収集したデータを桁外れの性能を持つ人工知能で分析することで、これまで人間ではわからなかった、例えばここに従業員を配置すると売り上げが向上するといった「へそ」のようなポイントを見つけ実店舗の価値と売り上げを大幅に高めることができます。

「個客に届ける」~企業間を越えた物流ネットワークを構築~

オムニチャネルの成否を握るのが、購入された商品を安全・確実にお客さまに届ける物流ネットワークの最適化です。最近は価格だけでなく、「いま確実に入手できる価値」を重視するお客さまが増えています。そのためには商品在庫をリアルとネットの区別なく把握でき、お客さまが望む方法で届ける環境を実現しなければなりません。「商品をネットで選んで店で試着する」「提携先のサイトで注文した商品を近くの自社店舗で受け取る」といった要望に応えることも重要です。

複数拠点の物流情報の一元管理を実現する「HITLUSTER(ヒットラスター)」と企業間同士が協力し、垣根を越えた物流ネットワークを実現することにより、物流情報だけでなく企業間での物流網の構築をサポートする「次世代オムニチャネルロジスティクス」で物流の課題を解決できます。

次のページから、オムニチャネル活用時代の小売・流通業界を革新する日立グループの製品・ソリューションを「リテールテックJAPAN 2015」展示会レポートとしてご紹介します。大競争時代を勝ち抜くための方策を見つけ出してください。


お問い合わせ先
(株)日立製作所 エンタープライズソリューション営業統括本部 流通営業本部

情報提供サイト
http://www.hitachi.co.jp/mononare/


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