さまざまな医療用診断機器の開発・製造・販売・サービスまでを一貫して行い、世界の人々の健康に奉仕するヘルスケアソリューションを展開している株式会社日立メディコ(以下、日立メディコ)。

日立メディコが提供する製品は国内外の幅広い医療機関で稼働しています。それら現代医療に欠かせない各種医療機器を常に適正な状態で利活用してもらうため、日立メディコは世界各国のサービス拠点をベースに定期的な保守点検・修理サービスを行うとともに、2006年からは各種機器を24時間インターネットで見守るサービス「Sentinelカスタマーサポート」を提供しています。

「このサービスは、リモート監視用の各種センサーを備えたMRI(※2)やCT/XR(※3)装置を対象に、標準で1年間、2年目以降は保守契約していただいたお客さまに提供しています」と語るのはカスタマーサポート本部 サービス企画開発部 部長の鹿野 光明さん。例えば、超電導MRI装置の場合、1台あたり100個以上のセンサーを備えており、IoT/M2M(※4)で送られてくる情報を継続監視することで、時系列的な状態値の変化から経年変化を把握。この傾向に基づいた点検や部品交換で故障を未然に防ぎ、お客さまから高い評価を獲得しています。

※2 Magnetic Resonance Imaging
※3 Computed Tomography/X-ray
※4 Machine to Machine

予知保全を導入した新システムを検討

「以前から、ある程度の予兆監視は実現していました。しかしセンサー個別の“しきい値”による判断では、それぞれが正常範囲内でも、複数の部品が関わるような障害は見逃してしまうケースがあります。機器が停止してしまうと、患者さんの予約の再調整などで多大なご迷惑をかけてしまいます。また当社にとっても、単一センサーの情報だけでは部品交換の時期を短めに見積もってしまうなど、コスト面での課題もありました」と振り返るのは、同部 担当課長の稲原 徹さんです。

そこで日立メディコは、より高度な予防保全として「予知保全」の手法を導入することで、保全コストの最適化と高稼働率の実現を図る新システムの検討に着手。過去10年間蓄積していたビッグデータの分析を行った結果、複数センサーの相関関係によって、コア部品の故障や寿命を今まで以上の精度で予測できるパターンを発見しました。

「社内には以前から、そうした傾向を予測できる技術者がいましたが、属人化されていたため、ノウハウがうまく活用できていませんでした。しかし、今回分析結果を検証していく中で、今まで見えなかった障害の前段階を可視化できる手応えを感じたのです」と語るのはカスタマーサポート本部 サービスセンタ CT・MRサービス課 担当課長の羽田 光一さん。こうした結果をふまえ、新システムの基盤として選ばれたのは、日立の「Global e-Service on TWX-21(以下、GeST)/故障予兆診断サービス」でした。

点検・交換サイクルの適正化と突発故障の回避を実現

同サービスは、日立ビジネスメディアサービス「TWX-21」のSaaS(※5)事業支援基盤を活用し、日立独自の分析技術とIoT/M2Mを用いた故障予兆診断システムをクラウドサービスとして提供するものです。

「今後の新機種への適用や機能拡張を考えると、保守やサポートに手間がかからず、他システムとの連携による拡張性も必要です。そこで機器のライフサイクル管理全般の機能が充実し、保守やサポートに実績のあるGeSTの基盤を利用して、当社のSentinelサーバと連携した超電導MRI装置向け故障予兆診断サービス『Sentinel Analytics』を立ち上げることにしました」と稲原さんは説明します。

サービス導入に際しては、日立メディコのIoT/M2Mネットワークを活用したため、短期間での稼働開始を実現。提供される監視画面も大変見やすく、日立メディコが求めていた状態変化のレポート機能も柔軟なカスタマイズで組み込むことに成功しました。

GeSTによる予兆診断は「予想を上回る成果を上げています」と稲原さんは語ります。新システムで最初の監視対象となった超電導MRI装置においては、磁石や高額消耗部品である冷凍機などの定期点検を以前から実施していましたが、ダウンタイムを極力発生させないよう、故障する前に余裕をもってメンテナンスしたり部品交換を行ったりしていました。今回、状態監視の導入によって、磁石の能力低下や冷凍機の経年劣化の検知が可能となり、点検サイクルの最適化や適切なタイミングでの交換を実現することができました。「従来よりも部品を長寿命化できたケースもあり、保全作業時間の削減によって稼働率の向上に貢献することができました」と稲原さんは笑顔を見せます。

「予兆診断は突発故障の回避にもつながっています。これまで、超電導MRI装置で使われている液体ヘリウムの微量な減少については単一センサーのしきい値判定では検出できず、故障発生後の修理となり、ダウンタイムの発生要因となっていました。しかし現在は相関関係にある複数センサーを同時に状態監視することで、当該現象を総合判定で検出できるようになり、突発故障を未然に防げるようになったのです」と稲原さんは評価します。

※5 Software as a Service

画像: 「Sentinel」ロゴ

「Sentinel」ロゴ

CT/XR装置にも予兆診断の適用を進めていく

こうした予兆診断の活用により、超電導MRI装置のダウンタイムを16.3%削減(当社Sentinelカスタマーサポート比)できたほか、サービス工数や人件費、交換部品などのトータルコストも低減。「お客さま満足度の向上と保全コストの最適化をともに実現する効果がはっきりと出ました」と鹿野さんは喜びます。羽田さんも「今までなら1週間から数日前にならないと把握できなかった故障リスクを、このシステムなら1か月から3か月前にとらえることができます。お客さまは余裕を持って保全作業計画が立てられますし、われわれも部品の余剰在庫が避けられます。GeSTの分析エンジンは非常に能力が高いので、将来的にはお客さまごとに適正なアップグレードや保証の提案などの立案ツールとしても使えるでしょう」と期待を寄せます。

今後は、超電導MRI装置よりも台数の多いCT/XR装置にも予兆診断の適用を進め、より多くの医療機器の安定稼働をめざしていきたいと語る日立メディコの皆さん。その積極的な取り組みを、これからも日立はGeSTのサービス強化と多様なソリューションの提供によって力強くサポートしていきます。

画像: 超電導MRI装置

超電導MRI装置


株式会社日立メディコ

所在地 東京都千代田区外神田4-14-1 秋葉原UDX 18階
設立 1949年5月9日
資本金 138億8,400円
従業員数 5,502名(連結)/2,096名(個別)(2015年3月31日現在)
事業内容 医療機器、医療情報システム、汎用分析装置および医用分析装置の開発、製造、販売および据付、保守サービス
http://www.hitachi-medical.co.jp/

画像: カスタマーサポート本部

カスタマーサポート本部


お問い合わせ先
(株)日立製作所 スマート情報システム統括本部
https://www8.hitachi.co.jp/inquiry/it/smart/general/form.jsp

情報提供サイト
http://www.hitachi.co.jp/gest/ht582/


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