日立は、海外拠点での生産や製造委託などのグローバル化を背景に、設計開発、生産管理、生産技術、品質管理のトータルサプライチェーンマネジメント業務において、製造業のバリューチェーンを支える業務システムへのニーズに対応したクラウドサービス機能を提供しています。今回、新たなサービスとして、IoT関連技術を駆使しバリューチェーン全体のデータをつなぎ、モノづくりの品質・コスト・納期・リスク(QCDR/※)の全体最適化を実現する「Hitachi Total Supply Chain Management Solution/IoT」(以下、TSCMソリューション/IoT)の提供を開始します。

※ Quality、Cost、Delivery、Risk

現地生産の拡大によるモノづくりの課題が顕在化

自動車や精密機械など、グローバルに生産・販売を展開する製造業では、新興国市場の拡大と国際競争の激化に伴い、新興国で製品を生産・供給する低コスト・輸出型の体制から、各地域のニーズに対応した製品を市場に近い現地で生産・供給する地産地消型の体制にシフトしつつあります。一方で、同種の製品においてはコスト最適化の観点から部品の共通化が進んだことで、いったん部品の不具合が発見されると海外拠点や製造委託先での対策の遅れから、大規模な製品回収、いわゆるメガリコールにつながるリスクが高まっています。

そこで求められているのが、海外拠点や製造委託先、さらにはサプライヤーまでの「人(Man)」「設備(Machine)」「部品・原材料(Material)」という生産に関わる“3M”をバリューチェーン全体にわたって可視化し、全体最適化によりモノづくりのQCDRを向上していく仕組みです。

日立では、生産のグローバル化を背景に、世界標準となるマザーセンターを基点とし、海外拠点や製造委託先の業務能力差をなくし全体最適化の観点で統括管理を行うグローバルマザーセンター構想を提言。設計開発、生産管理、生産技術、品質管理といった業務システムを、既存拠点および海外拠点や製造委託先でも利用し、グローバルマザーセンターの統括管理を実現するクラウドサービス機能の提供を2012年から順次開始しています。2016年1月に提供を開始した「TSCMソリューション/IoT」は、日立が開発したIoT関連技術を活用し、各業務システムと製造現場を相互に連携させて、バリューチェーン全体の可視化を実現するものです(図1)。

画像: 図1 「TSCMソリューション/IoT」構成イメージ

図1 「TSCMソリューション/IoT」構成イメージ

IoTとクラウドで、お客さまのグローバル経営課題を解決

TSCMソリューション/IoTでは、製造現場の機器、センサー、カメラといった設備や機器と各業務システムに対応可能なデータ形式変換ツール、通信インタフェースであるデータ連携基盤、共通のクラウド基盤を利用し、さまざまな業務データを収集・蓄積・分析することで、バリューチェーン全体の状況をリアルタイムに共有することができます。

例えば、製品回収が必要となった場合には、工場内に蓄積した3Mに関するトレーサビリティ情報から回収の影響範囲を容易に特定し、経営への影響を最小限に抑えることができます。メーカーのみならずサプライヤーまで情報の連携範囲を広げることで、バリューチェーン全体での影響範囲を最小限に抑えることが可能となります。

このように、これまで業務ごとに分散管理していた情報をリアルタイムに収集・分析・活用することで、モノづくりのQCDRのみならず、グローバルな経営判断のスピードと精度も一段と向上させることができるのです。

人(Man)の動きのデジタル化で製造品質を向上

製造現場における3Mの情報の中でも、これまで収集や利活用が困難だったのが「人」の情報でした。日立はTSCMソリューション/IoTで提供する「品質クラウド」の中で、こうした現場作業者の情報を有効に活用し、不良の即時対応、ミス低減、熟練作業者のノウハウ継承、モチベーション向上といった、製造品質の向上に貢献するソリューションを提供する準備を進めています。

例えば、製造ラインにおける不具合の発生と人の動きの関連性を見極めるために、工場内の工程ごとに設置した定点カメラを活用し、品質に影響する作業員の動線パターンを自動抽出。正常とは異なる動きを抽出した場合は、監督者のウェアラブルデバイスにアラートを発報。現場への警告や指示をすばやく行う一方、該当する製品が工場から出荷される前に品質を確認することで、リコールにつながりかねない市場への不良流出を未然に防ぐことが可能となります。

また、特定拠点の設備に異常が発生した場合には、稼働管理システムにそれを通知するとともに、グローバルに統括する保全システムを通じて共通設備を持つ拠点へメンテナンス指示を出します。このように品質情報を統合的に管理することで、どこの拠点でも高い品質のモノづくりを実現することができ、お客さまビジネスの付加価値向上やコスト低減に貢献します(図2)。

日立はモノづくりの生産性や柔軟性を高め、製造業のバリューチェーンの全体最適化を支援するサービス群「Hitachi Total Supply Chain Management Solution」として体系化しています。今後さらなるサービスラインアップの拡充で、お客さまの個別課題にも迅速に対応し、グローバルな競争力強化を継続的に支援していきます。

画像: 図2 品質管理におけるサービスイメージ

図2 品質管理におけるサービスイメージ


お問い合わせ先
(株)日立製作所 エンタープライズソリューション事業部
TSCMソリューションセンタ E-mail:total_scm@itg.hitachi.co.jp


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