ITインフラやサービスのクラウド移行が加速する中で、個人情報やマイナンバーといった、センシティブなデータを安全・安心に利活用する方法が求められています。そこで日立は、医療やビジネスなどの幅広い分野で、個人のさまざまな情報を匿名化して管理・運用できるクラウドサービス「匿名バンク」を提供しています。

 ネットワークやクラウドを介してさまざまな情報がやり取りされる現在、企業や自治体、医療機関などには、お客さまや社員などから預かった個人情報を、不正アクセスや人為的ミスによる情報流出から守るという大きな社会的責任が課せられています。

 特に2016年からは、国内で住民登録をしているすべての人に12桁の番号を割り振り、社会保障、税、災害対策などの分野で効率的に情報を管理する「マイナンバー制度」が施行されます。特に機微な情報の取り扱いとなる医療分野では、政府が主導する検討会で医療等分野におけるマイナンバー制度の活用について議論が進んでいるところです。これら“究極の個人情報”を管理しなければならない企業や医療機関では、いかに情報を安全に守りながら、付加価値の高いサービスを実現するかに注目が集まっています。

個人情報をさまざまなサービスに活用可能な「匿名バンク」

 こうしたニーズにお応えし、個人情報を取り扱う企業や組織に対して、個人情報の匿名化によってさまざまなサービスに活用できるようにするのが匿名化情報管理サービス「匿名バンク」です。センシティブな情報を匿名化、すなわち個人が特定できない状態にすることで、情報漏えいに対する管理・運用リスクを減らすことができます。匿名バンクの利用により、個人ごとの情報を活用した高付加価値サービスを安全・安心に提供できるため、他社との差別化や新規サービス開発、業種間連携といったさまざまなメリットを享受することができます。

 そして匿名バンクの高いセキュリティ性を担保するのが、日立が独自に開発した「検索可能暗号化技術」(※)です。これまでデータベースの暗号化は、データセンター内の特権ユーザー(保守担当の技術者など)によって復号可能なため、情報漏えいのリスクがありました。これに対して検索可能暗号化技術は、暗号化したまま検索・照合などの処理が行えるため、データセンター内の特権ユーザーであっても復号化は不可能。これにより、クラウド上で匿名状態のままセキュアな情報管理が行えます。

※ 特許第5412414号

「匿名バンク」の主な特長安全・安心な情報管理サービス

 個人情報は事業者間で分離された形で、安全・安心に管理されます。氏名や住所などの個人を特定できる情報は各事業者が管理し、匿名化されたさまざまな個人ごとの情報を、個人が特定できない(匿名化)状態で匿名バンクが管理します。

 これらの情報を統一IDでひもづけることにより、情報の関連性を維持しながら、センシティブな情報を安全に管理することが可能です。

 また、管理された情報は、提供範囲がサービスごとに設定され、個人・お客さまの同意を得た情報のみが事業者に提供されます(情報制御)。これにより事業者は、信用失墜、ブランド毀損、財務損失などにつながる情報管理リスクを低減できます。
クラウドサービスで初期投資を大幅に低減

 本サービスは、クラウドサービスとして提供するため、お客さまは少ない初期投資で、すばやくサービスを利用できます。
企業間/業種間連携に対応

 今まで事業者やサービスごとに管理されていた個人情報のうち、個人ごとの匿名化された情報のみを匿名バンクで統一化することで、さまざまなサービスを連携できます。また、事業者間の複数のサービスと連携するハブ機能もあるため、他のサービスとの連携で付加価値の高いサービスが提供できます。

 例えば、健康分野での利用を想定した場合、個人から提供された体重や血圧などの情報をもとに、事業者が健康指導サービスなどを提供する場合に利用できます。その際、氏名や住所などの個人を特定できる情報は事業者が管理。体重や血圧などの情報は匿名化された状態で匿名バンクで管理します。本サービスで蓄積された情報は他のサービスとも連携でき、医療分野と非医療(民間)分野間の情報連携などにも利用可能です。

国立精神・神経医療研究センターのシステムにも実装

国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター
トランスレーショナル・メディカルセンター 臨床研究支援部 早期・探索的臨床試験室長
病院 クラスター病棟医長/治験管理室・神経内科診療部
神経研究所 遺伝子疾患治療研究部 木村 円 氏

 「匿名バンク」はすでに多くの導入事例があります。その一例となるのが、国立精神・神経医療研究センター(NCNP)で2014年11月から稼働を開始した「Remudy WEB患者情報登録システム」です。

 このシステムは、神経・筋疾患の治療法開発や創薬のため、正確な疫学情報と臨床試験の参加者を速やかに集める仕組みとしてNCNPが2009年に開始した患者情報登録システム「Remudy」がベースとなっています。その仕組みをクラウド上でもセキュアに実現するため、日立が匿名バンクを適用してNCNPと共同開発したものです。

 同システムの稼働により、医師や患者が診察や疾患の情報をインターネットを通して容易かつセキュアに匿名登録することが可能となり、これを協力機関が活用することで、治療法や新薬の開発に役立てられています。全国規模での希少疾患の患者情報登録システムのクラウド運用は、日本のみならずアジア圏においても初の取り組み(*)となりました。

*2014年11月25日現在。当社調べ

 日立は、このシステム機能やデザインを標準化することで、短期間で他疾患のレジストリーシステムへ展開することを可能とし、現在複数のシステムが稼働予定となっています。

画像: 匿名化情報管理サービス「匿名バンク」の概要

匿名化情報管理サービス「匿名バンク」の概要

お問い合わせ先

(株)日立製作所 スマート情報システム統括本部
https://www8.hitachi.co.jp/inquiry/it/healthcare-it/form.jsp

情報提供サイト

http://www.hitachi.co.jp/tokumeibank/

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